わたとんのインスタント教育

元教育関係者です。

英語教員のせいで、日本人の英語力は向上しないのか?

「日本の英語教育はおかしい」、この議論はずっとなされてきました。今では小学生から教科としての英語の授業があり、各学校で試行錯誤のもと、授業が作り上げられています。


正直な話「日本の英語教育」という狭い範囲内から抜け出せない限り、日本の教育現場は疲弊の一途を辿り、人材不足に拍車がかかるでしょう。「教育現場をより良い環境に」という考えが国全体にないと意味がありません。


人手不足は悪循環しか生みません。非正規雇用も多く、毎年異動せざるを得ない先生がたくさんいます。公立学校の場合、本採用(正規)になるためには教員採用試験(教採)で合格し、名簿に氏名が記載され、1年間の初任者研修(初任研)を経て、ようやく「本採用の教員だ!」となります。


しかし、教採は夏に行われます。近くの自治体は試験日が被っているため、複数受験をする場合は離れた場所まで行く必要があります。
そこで問題なのが、その時期は3年生の引退試合と重なっているということです。さすがに当日に引率させる管理職はいないですが、前日に引率する非正規教員もいます。「もともと準備していれば問題ない」と言われるかもしれませんが、常勤の講師の場合、本採用と同じものを課されます。授業はもちろんのこと、学級担任、部活動指導、校務分掌などを担当します。
学級担任で運動部の正顧問となれば、かなり負担になるのは明白です。何度も不合格になっている人でも、正規教員より優れていると感じる人はいます


「チーム学校」という言葉が生まれましたが、余裕があるからこそチームで取り組めるのであり、自分のことで精一杯な人だらけな所も少なくありません。
どのような業種でもそうですが、特に教員は自己犠牲の上でやりがいを持ってあらゆることに取り組んでいると感じます。そうでないとやってられません。お金のために働くなら教員はやめたほうがいいと思います。


冒頭に戻りますが、日本の英語教育は改善しなくてはならないことばかりです。使える英語を英語教員が一律で教えられる時代はいつ来るのでしょうか?
逆を言えば、現場で働いている教員は、自己研鑽をする時間がありません。頑張って工面している、またはそのようなことを推進している所もあるでしょうが、かなり厳しいと感じます。このようなことを書いていると「無能だからそうなる」などと言われてしまいそうですが、今の学校現場はオーバーワークすぎます


コロナで公務員志望が増えると言われたりもしていますが、仮に将来を見据えて職を求めているとして、教員の道を選ぶ人がどれほどいるのでしょうか?

学校教育全体の話になってしまいましたが、これが現実です。